深夜飲食店営業の届出とは

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こんにちは、「あなたの法務部」管理人の中川です。

今回は、深夜飲食店営業の届出について解説したいと思います。

この届出は、割と知られているようでいて知られていなかったり、間違って解釈されていたりするものですので、正しい情報は何かについて、解説します。

深夜に酒類提供する飲食店営業の届出

もし夜中0時以降に酒類を提供する場合、深夜飲食店営業の届出をする必要があります。

この届出の正式名称は、「深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書」と長い名称がついています。

深夜における酒類提供飲食店は、営業を開始するにあたって、営業開始届出書を提出しなければなりません。

提出先は、営業所の所在地の所轄警察署となります。(正式には、所轄警察署を経由して公安委員会への提出となります)

提出義務がある飲食店とは

では、この深夜営業飲食店の届出義務がある飲食店には、どの飲食店が該当するのでしょうか。

深夜営業飲食店の届出義務がある飲食店とは、深夜に営業する「酒類提供飲食店営業」となります。

深夜に営業する「酒類提供飲食店営業」は、次の3つにあてはまる場合に該当します。

  1. 飲食店であるもの(食品衛生法の飲食店許可を受けているもの)
  2. 深夜に営業を営むもの(午前零時から午前6時まで)
  3. バー、酒場、その他客に酒類を提供して営業するもの(営業の状態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く)

上記に該当する深夜に営業する「酒類提供飲食店営業」は、深夜営業の届出を提出する義務があります。

通常主食と認められる食事を提供して営むものを除くとは

さて、先ほどの「バー、酒場、その他客に酒類を提供して営業するもの」の部分で、「営業の状態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く」となっていました。

通常主食と認められる食事を提供して営むものを除くとは、どういう意味でしょうか。

まず、酒類を提供して営業する飲食店は、アルコール度数1度以上の酒類を客に提供して営業することで、提供する酒類の量の多寡を問いません。

その酒類を提供して営業する飲食店のうち、営業の状態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものは、酒類提供飲食店営業には該当しないことになります。

警察庁の法令解釈によると、「営業の状態として、通常主食と認められる食事を提供して営むもの」とは、次のように解釈することになっています。

  1. 営業時間中、客に常に「主食」を提供している店であることを要し、例えば、1週間のうち平日のみ主食を提供する店、1日のうち昼間のみ主食を提供している店等は、これに当たらない。
  2. 客が飲食している時間のうち大部分の時間は「主食」を提供していることを要し、例えば、大半の時間は酒を飲ませているが、最後に茶漬を提供するような場合は、これに当たらない。
  3.  「通常主食と認められる食事」とは、社会通念上主食と認められる食事をいい、米飯類、パン類(菓子パン類を除く。)、めん類、ピザパイ、お好み焼き等がこれに当たる。

ですので、通常の居酒屋の場合、夜は主食を提供しているというより、お酒と共にアテやツマミを提供していると言え、酒類提供飲食店営業に該当すると考えられます。

酒類提供飲食店営業を深夜に行う場合は、深夜飲食店営業の届出義務があるのです。

深夜における酒類提供飲食店営業の規制

酒類提供飲食店営業を深夜に行う場合、届出の義務があることは、先に記載した通りですが、その他、法律による各種規制があるので、気をつけてください。

主な規制について、次のようなものがあります。

  1. 照度の規制:営業所内の照度を一定基準以下の数値にすること
  2. 騒音及び振動の規制:一定基準以上の騒音または振動が生じないように営業を行うこと
  3. 禁止行為:客引きや18歳未満の者の接待の禁止、18歳未満の客を立ち入らせてはならない等
  4. 構造や設備に変更があった場合、変更届が必要なこと
  5. 営業禁止地域があること

これらは、法律による規制ですので、違反した場合罰則規定もありますので、注意が必要です。

まとめ

さて、深夜飲食店営業の届出について、解説してきました。

深夜飲食店営業の届出は、風営法に定められているものですので、あまり馴染みのない方もおられます。

また、通常の飲食店の場合、風営法は関係のない法律に思えてしまい、軽く考えている場合が少なからずあります。

ですが、実は風営法は、飲食店に対する規制も記載されている法律なのです。

風営法は、解釈が難しい法律ですので、敬遠されがちですが、自分のお店を守るためにも、きちんと理解しておくことが必要な法律なのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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