働き方改革とは?これからの働き方が変わる3つのポイント

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こんにちは「あなたの法務部」法務部長中川です。

今日は、働き方改革について解説します。

働き方改革とは、最近よく聞く言葉ですが、では一体、働き方改革で、ビジネスの現場はどのように変更するのでしょうか。

また、経営者側としては、どのような点に気をつけなければならないのでしょうか。

そこを解説します。

働き方改革とは

働き方改革とは、「一億総活躍社会の実現」に向けた一連の改革を指します。

2019年4月1日に「働き方改革関連法」が施行されました。

この法律の正式名称は、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」というものです。

働き方改革を推進するために、労働関連に関する各種法律を整備するために施行された法律です。

働き方改革関連法によって、次の労働関連に関する次の8つの法律が改正されました。

  1. 労働基準法
  2. 労働安全衛生法
  3. 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法
  4. じん肺法
  5. 雇用対策法
  6. 労働契約法
  7. 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
  8. 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

これにより、働く人々が、それぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現を目指しています。

働き方改革の3つのポイント

働き方改革では、一億総活躍社会の実現に向けて、働く人々が、それぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を目指しています。

そんな社会の実現に向けて、次の3つの重要なポイントを掲げています。

  1. 長時間労働の是正
  2. 多様で柔軟な働き方の実現
  3. 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

働き方改革では、この改革を総合的かつ継続的に推進するために、上記の3つをポイントとして掲げ、実現に向けた措置が講じられているのです。

働き方改革が目指すもの

日本では、現在次のような課題に直面しています。

  1. 少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少
  2. 働く方々のニーズの多様化

これらの課題に対応するためには、次のような環境を作る必要があります。

  1. 投資やイノベーションによる生産性の向上
  2. 就業機会の拡大
  3. 意欲や能力を存分に発揮できる環境

働き方改革は、働く人々が、個々の事情に応じた柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革です。

そのために、働く人の置かれた個々の事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会の実現を目指しています。

この実現によって、成長と分配の好循環を構築でき、働く人がそれぞれより良い将来の展望を持てるようにすること、これが働き改革が目指しているところです。

長時間労働の是正

労働基準法の改正によって、長時間労働に関する制度の見直しが行われました。

長時間労働には、次のような弊害があります。

  1. 健康の確保を困難にする。
  2. 仕事と家庭の両立を困難にする。

そのため、次のような問題が生じていました。

  1. 少子化の原因
  2. 女性のキャリア形成を阻む原因
  3. 男性の家庭参加を阻む原因

長時間労働を是正することによって、ワークライフバランスが改善します。

また、女性や高齢者も仕事につきやすくなるため、労働参加率の向上に結び付くのです。

時間外労働の上限規制の導入

これまで、法律上、残業時間の上限は、ありませんでした。

今回の改正では、残業時間の上限が法律により定められました。

これにより、残業時間の上限を超えると、罰則規定が適用されることになりました。

今後は、上限を超えた残業を労働者にさせることは、法律違反になります。

もちろん違反した場合は、罰則規定もありますので、注意が必要です。

年5日の年次有給休暇の確実な取得

これまでは、年次有給休暇は、労働者が申告して取得するものでした。

これが、今後は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対しては、年次有給休暇の日数のうち、年5日について、使用者側が取得させることが義務付けられたのです。

また、これも法律により定められたものですので、違反した場合、罰則規定があります。

このあたりも使用者側としては気をつけなければいけない部分です。

多様で柔軟な働き方の実現

多様で柔軟な働き方の実現のために、次のような制度の見直しが行われています。

  1. フレックスタイム制の見直し
  2. 特定高度専門業務・成果型労働制の創設

フレックスタイム制は、「清算期間」の上限が1か月から3か月に延長されました。

特定高度専門業務・成果型労働制とは、「高度プロフェッショナル制度」といい、これが新たに創設されました。

高度な専門知識等を有して、職務の範囲が明確で一定の年収要件を満たす労働者に対して、健康確保措置を講じ、一定の要件を満たすことで、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を定期用除外する制度です。

これらの政策により、多様で柔軟な働き方を目指すこととなっています。

雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

不合理な待遇格差をなくす制度も導入されました。

同一企業内において、正社員と非正規社員の間で、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

従業員の待遇は、職務内容、責任の度合い、配置の変更範囲、その他の事情を考慮して規定する必要があり、不合理な待遇格差をすることはできません。

また、使用者側には、労働者に対して、待遇に関する説明義務も強化されました。

非正規社員から待遇差の内容や理由について、説明の求めがあったばあい、使用者は、正規社員との間の待遇差の内容・理由等を説明する義務があります。

また、説明を求めた労働者に対する場合の不利益取り扱いも禁止されています。

このあたりも、事業主としては気をつけいけない点です。

まとめ

働き方改革は、労働者の働き方に関する各種関連法案の改正です。

これにより、経営者側も遵守すべき法律が増えていますので注意が必要です。

また、法律違反をすると罰則規定がある法律もあります。

労働時間、残業、年休、待遇等、経営者としても今後の時代に向けて新たな形が求められています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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